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2021.01.21

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国民民主党は「政策提案型」から「政策先導型」に進化します(代表質問全文)

本日1月21日、国民民主党の会派を代表して、菅総理大臣の施政方針演説に対する代表質問に立ちました。未来を先取りし、政府の政策を牽引・先導する「政策先導型」の質問を心がけました。また、国民民主党が行ったネット意見募集に寄せられた2000件を超える意見を踏まえて質問しました。しかし、菅総理の答弁はほぼゼロ回答。特に、追加の現金給付など経済支援への提案に対する塩対応には呆れるほどでした。また、一般の国民がいつワクチンを接種できるのか?今、国民が一番知りたい質問にも「今日は答弁を差し控える」とゼロ回答。菅政権には先手先手で対応してほしいのに、これではまた新たな後手後手が生まれてしまうのではと心配になりました。菅総理にはコロナ対策を任せていてはまずいのではないかと真剣に危機感を感じた代表質問でした。引き続き、予算委員会などを通じて皆さんの不安や疑問をぶつけていきたいと思います。国民民主党の仲間と一緒に「政策先導型」でがんばります。

動画はこちら(2:15:20頃から)

 https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=51214&media_type=

 

施政方針演説に対する代表質問

 

令和3年1月21日

国民民主党・無所属クラブ

玉木雄一郎

 

(はじめに)

 国民民主党代表の玉木雄一郎です。会派を代表し、今日はコロナ対策だけ聞きます。まず、羽田雄一郎先生をはじめ全ての亡くなられた方にお悔やみを申し上げるとともに、現在、治療中の方々にお見舞い申し上げます。そして最前線で日夜奮闘されている医療従事者の皆さんに心から感謝と経緯を申し上げます。ありがとうございます。

 さて、国民民主党は、昨年9月に新たなスタートを切りました。私たちが掲げる「政策提案型、改革中道」の姿勢は、今のコロナ危機の時代にこそ必要だと考えます。政府や与党は、どうしても目の前の課題の対応に追われ、少し先のことに目が届きにくくなりがちです。だからこそ私たち国民民主党は、少し先に必要になる政策や、政府の代替案「プランB」を提案する「政策先導型」の姿勢で課題解決に取り組みます。事実、国民民主党が提案した政策は、昨年の一律10万円給付や特措法改正案をはじめ、数ヶ月後には実現につながるものも少なくありません。私たち国民民主党は、国民の声に丁寧に耳を傾けながら、コロナ危機を乗り切る知恵を仲間と一緒に絞り出します。菅総理、今から申し上げる「少し先に必ず必要になる」政策の提案に、真剣に耳を傾けていただくことをお願いして質問に入ります。

 

(追加の現金給付)

 国民民主党が、緊急事態宣言に合わせてオンラインで意見募集を行ったところ、約2000件の声が寄せられました。その多くがお金と住まいに関することでした。国民民主党は、昨年11月27日、感染の再拡大も想定して、現役世代に一律10万円、低所得者にはさらに10万円上乗せした20万円の追加現金給付を含む、総額48兆円の緊急経済対策を策定しました。麻生大臣はやるつもりはないそうですが、バイデン政権も1,400ドル(約14万円)の追加現金給付を含む総額約2兆ドルの経済対策を発表しました。総理、日本の人口の半分を占める地域に緊急事態宣言を発令したのであれば、家計消費を下支えするためにも、もう一度、1人10万円の現金給付を行うことを提案します。そのための第3次補正予算の組み替えを求めます。

 

(総合支援資金の延長)

 また、国民民主党の意見募集には、月額最大20万円、無利子で融資が受けられる「総合支援資金」の貸付枠を拡大して欲しいという切実な要望も多数寄せられています。コロナ禍の長期化で、今でも週1万件もの申請があります。現在は原則3ヶ月60万円、最大6ヶ月120万円となっている総合支援資金の貸付期間を、さらに3ヶ月から半年、延長することを提案します。そうすれば、生活保護に頼らなくて済む人も増えるでしょう。延長に必要な補正予算の組み替えも含め、総理の決断を求めます。

 

(持続化給付金の再給付と上限額の撤廃) 

 政府は、飲食店の取引先を支援する新たな一時金の制度を発表しましたが、今から事務局の入札をするので、申請は早くても3月以降になるとのこと。遅すぎます。しかも、上限額は40万円で、業種も限定されています。今から中途半端な制度を作るより、今ある持続化給付金を再給付した方がはるかに早く支援が行き届きます。総理に、持続化給付金と家賃支援給付金の再給付を強く提案します。第3次補正予算の組み替えとあわせて総理の決断を求めます。

 

(休業支援金・給付金の周知と対象拡大)

 先週、私がツイッターで「休業支援金・給付金」の解説動画を流したところ、50万回以上再生され、コメントにも知らなかったという声があふれました。総理、時短でシフトが減ったアルバイトさんも賃金の8割を国から直接受け取ることができる「休業支援金・給付金」の制度がまだまだ知られていません。周知の徹底を提案します。予算も8割以上余っています。

 また、大企業のパート・アルバイトも対象にしてほしいとの声も多数寄せられました。総理、大企業で働くアルバイトなども、休業支援金・給付金の対象とすべきです。少なくとも、緊急事態宣言発令地域で働く大企業の従業員については、休業支援金・交付金の対象とすることを提案します。総理の決断を求めます。

 

(エンタメ業界等への支援)

 ライブハウスやクラブ、演劇、コンサートの夜公演や映画のレイトショーなどは、法律に基づかない「働きかけ」によって夜8時までの時短営業となっています。また、演奏者など文化・芸術の担い手の多くはフリーランスの方々です。第3次補正予算で文化庁に計上されている支援策「ARTS for the future」も、感染収束を前提とした支援策で、しかも立替払いが必要です。仕事がなくなり収入が減ったフリーランスの方々の補償には使えません。新たに発表された最大2,500万円の支援制度も、対象が法人のみでフリーランスは対象外です。総理、緊急事態宣言の影響を受けていながら支援策がないエンターテイメント業界の方々への十分な支援を提案します。文化芸術は生きるために必要です。

 

(水際対策)

 昨年12月25日、国民民主党は、入国を全面停止すべきと西村大臣に早々に訴えました。しかし、全面停止は1月14日までずれ込み、結局、変異株の市中感染を許してしまいました。ビジネストラックを含む例外なき入国禁止についての総理の判断の遅れが、水際対策の失敗につながったのではないですか。しかも、今後も「特段の事情」がある場合には引き続き入国を認めることになっていますが、その法的要件は曖昧です。定義をお示しください。また、14日間の行動制限や公共交通機関の利用制限はあくまで「要請」お願いに過ぎず、法的根拠に基づく義務化ができていません。水際対策は「ザル」状態のままです。総理、外国人に対する防疫措置を義務化するため、出入国管理法の改正を急ぐことを提案します。テロ対策目的で設けられた出入国管理法第5条1項14号で入国制限をかけるのはもう限界です。

 

(接触アプリCOCOA)

 感染の抑え込みに成功している国の共通点は、コンタクト・トレーシング、つまり追跡がうまくいっていることです。しかし、日本の接触確認アプリCOCOAは十分効果をあげていません。総理、COCOAはご自分の携帯にインストールされていますか。また、COCOAは当初予定していた効果をあげていますか。COCOAによる陽性者登録は累計何件で、全国でこれまでに確認された陽性者のうち何%を占めるのか、また、COCOAからの通知によって判明した感染者は何名いるのかデータでお示しください。

 また、かねてから指摘しているファーウェイ社のスマホにはCOCOAがインストールできない仕様はいつまでに改善されますか。ファーウェイ社に確認したところ、昨年10月末から厚労省に対応を依頼しているのに3ヶ月近く経った今もなしのつぶてと聞いています。中国でシェア4割を占めるファーウェイ社のスマホにCOCOAがインストールできない現状を放置したままでは、安全なオリンピックの開催などとてもできないのではないですか。

 

(ワクチン接種)

 日本のワクチン接種はなぜこんなにも遅いのですか。総理は施政方針演説で2月下旬から開始するとのことでしたが、医療従事者や高齢者が最優先です。総理、一般の国民がワクチン接種ができるようになるのはいつですか、河野ワクチン担当大臣は5月ころの想定を否定していますが、一体いつまでに何%の国民に接種を目指すのか具体的な目処を教えてください。また、総理は率先して接種されると表明されましたが、いかなる根拠で総理は接種できるのか教えてください。

 ワクチン接種の管理こそ、総理肝いりのデジタル化を駆使して行うことを提案します。しかし、接種の管理は接種券という紙ベースで行い、しかも紙の接種記録を自治体がデータ入力することになっています。マイナンバーも活用し、医療機関等での接種記録を自動的にデータ化して国や自治体で共有すれば、接種情報を一元的に収集・管理できます。また、接種予約も各自治体がそれぞれにシステム発注しようとしていますが、オンラインでできる一元的な仕組み作りを提案します。今のままでは、総理の目指す「自治体のシステムの統一、標準化」に反することになります。総理の見解を伺います。

 

(遅すぎた特措法改正)

 国民民主党は、昨年の4月から、「北風」である罰則と「太陽」である万全の補償をセットで盛り込む特措法改正を一貫して訴え続けてきましたが、政府は第3波が来てからようやく検討し始め、今回の緊急事態宣言に法改正が間に合いませんでした。新たな「武器」もないままコロナとの戦いに臨むことになった責任は総理にあります。総理、「感染が収まってから法改正する」との方針は見通しが甘かったと反省されますか。また、法改正が間に合わず、緊急事態宣言も遅すぎたことで、少なくとも都市部では「感染爆発」になっていると考えますが、総理の認識をお聞かせください。あわせて、改正特措法の施行はいつを考えているのかをお答えください。

 

(国民の権利制限は緊急事態宣言下で)

 国民民主党は、罰則付きの特措法改正案を昨年12月2日に国会に提出しました。万全の「補償」を前提とした強制力をもって短期間で感染を抑え込んだ方が、結果的に経済の回復も早く、必要な財政支出もトータルで少なく済むという考えに基づくものです。ただし、私たちは、行動制限や罰則を科すのは緊急事態宣言下に限るべきあって、逆に、非宣言下では権利の制限は極力行わないという、平時と有事のメリハリを重視しています。しかし、政府が検討中の特措法改正案では、プチ緊急事態宣言とも言うべき「まん延防止等重点措置」を新設し、飲食店に時短営業等を求め、従わない場合は罰則を科すこともできます。しかし「まん延防止等重点措置」には、緊急事態宣言には求められる国会への報告義務もなければ、専門家の意見を聞くという科学的客観性を担保するプロセスもありません。与党は了承したとのことですが、本当に大丈夫ですか。条文読んでいますか。修正に応じてください。総理、せめて罰則を科すのであれば、緊急事態宣言下に限定すべきと考えますが、総理の見解を求めます。また、国民の権利を制約する罰則付きの命令を可能とする緊急事態宣言を出すときは、国民の代表である国会の事前承認、あるいは事前が難しければ事後承認が必要と考えますが、あわせて見解を伺います。

 

(事業規模に応じた補償)

 また、事業者支援については、強制力を伴う措置を導入する以上、売上高や従業員数、店舗数といった事業規模に応じた支援をする旨を法律上に明記すべきです。また、緊急事態宣言下でより厳しい権利制限を科す以上、緊急事態宣言下での支援措置については国が全額負担するなど、より万全な支援を明記すべきと考えます。あわせて伺います。

 

(病床確保)

 今、最大の課題は病床の確保です。政府は1床当たり最大1950万円の支援金を出すから大丈夫だといいますが、この資金はコロナ患者受け入れのための人件費や消毒・清掃費用には使えても、他の一般の患者さんが減ることによる減収補填や赤字補填には使えません。これが、民間病院がコロナ患者を受け入れにくい一因になっています。総理、コロナ患者を受け入れる民間病院に対する支援金の使い道を広げ、実費弁償だけでなく減収補填にも使えるようにすべきです。これは極めて重要な問題です。総理の決断を求めます。

 

(検査体制の拡充)

 昨年8月、政府のコロナ対策本部で、「医療機関や高齢者施設等に勤務する者全員を対象とする一斉・定期的な検査を実施する」と定めました。その後、医療従事者や介護従事者などのエッセンシャルワーカーへの一斉・定期検査はどの程度行われていますか。複数の知事からは、実施をしたいが財源がなくてできないと聞いています。エッセンシャルワーカーへの一斉・定期検査に対する国の全額補助を提案します。総理の見解を伺います。

 また、政府は3月にも不特定多数を対象にしたPCR検査を始めるとの報道がありますが、事実関係を教えてください。クラスターを追えなくなっている地域が出てきている以上、無症状感染者を検査で迅速に把握し、追跡・隔離・保護の体制を強化する戦略に方針転換することを提案します。総理、不特定多数を対象としたPCR検査を速やかに実施すべきではありませんか。また、駅前PCR検査のような民間事業者による検査結果も漏れなく保健所に集約できるような制度整備を提案します。いかがでしょうか。

 

(コロナ差別対策)

 いわゆるコロナ差別について伺います。同僚議員の中にも差別を経験した方もいます。民間病院の中には、差別を気にしてコロナ患者の受け入れを躊躇する病院もあります。国民民主党は、1月8日の政府・与野党連絡協議会で、差別防止を特措法改正案に書き込むことを提案しました。政府における検討状況をお聞かせください。

 

(孤独対策)

 「鎖の強度は、その一番もろい箇所の強度に等しい。何故ならその箇所が崩れたら、鎖全体がバラバラになって崩れ落ちるからだ」これは、18世紀のスコットランドの哲学者トマス・リードの言葉です。コロナは、社会の最ももろい部分を直撃しています。昨年10月の労働力調査では非正規雇用者85万人が失業し、うち6割が女性。同月、女性の自殺は前年比88.6%増えました。今年の自殺者数は11年ぶりに増加に転じる見込みです。今必要なのは、もろい所を補修すること。日本中の孤独に届く政策が必要です。

 国民民主党は一昨年の参院選の公約として「孤独対策」を公党として初めて掲げました。私たちは、分散している相談窓口の一本化やSNS相談の強化、デジタル民生委員や若者民生委員の創設、既に稼働しているNPOとの連携などを提案しています。政府においても、先行する英・仏の例も参考にしながら、政府の責任者として「孤独担当大臣」を設置し、望まない孤独に向き合う総合的な政策を進めることを提案します。総理の見解を伺います。

 

(率先垂範)

 最後に、感染拡大を効果的に抑え込むには、何よりリーダーが約束を守ることが重要です。5人以上の会食を控えてほしいと言いながら、総理が大人数でのステーキ会食をしたことをみて、多くの国民は「言ってる政治家が約束を守らないんだから自分たちも大丈夫」と思ったでしょう。密を避けてといいながらこの本会議場は相変わらず密のままです。リモートワーク7割といっても永田町や霞ヶ関ではできていません。私たち国民民主党は、質問通告を原則リモートで行い対面での通告を禁止しました。できない理由をあげれば例外も抜け穴もいっぱい作れます。それはどの業種も同じでしょう。しかし、やると決めたら率先垂範。私たち国会議員が自ら変わることを示すことで、国民と危機感を共有し、力を合わせ、心を合わせてコロナ禍の危機を乗り越えていこうではありませんか。この機会に、積極的に国会改革に取り組み、率先して範を示していくことを議場の同僚議員に呼びかけ、国民民主党を代表しての質問とします。

(了)