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2021.02.06

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豊かで美しい瀬戸内海を再生するために

私自身、10年来取り組んできた「豊かで美しい瀬戸内海」を再生するための「栄養塩類管理制度」が創設される見通しとなりました。少しとっつきにくい話なので解説します。

かつて瀕死の海と呼ばれた瀬戸内海は、厳しい排水規制によって大きく水質が改善しました。海水浴や釣りに行く人は分かると思いますが、瀬戸内海は今、かつてに比べて透明できれいな海になっています。一方、水質の改善で栄養塩類(海藻類や植物プランクトンなどの成長や増殖に必要な塩類)が減少し、生物の多様性や生産性が損なわれ、漁獲高の減少や、海苔の色落ちなどの悪影響が出ていると言われるようになりました。ただ、依然として赤潮の被害も発生するなど、栄養塩類の増加が大きな驚異となる海域もあります。

こうした問題に対応するため、2015年に「瀬戸内海環境保全特別措置法」が改正され、法改正後の調査・研究によって栄養塩類が水産資源に与える影響についての解明が進みました。こうした進展を受けて、今国会に、栄養塩類の管理制度を創設する改正案が提出されることになりました。約10年前、この問題を国会で取り上げたとき、ほとんど聞く耳を持ってもらえなかったことを思い出すと、隔世の感があります。

ただ、問題は簡単ではありません。

香川県でも、たとえば、志度湾の海苔の養殖や牡蠣の養殖にとっては、一定の栄養塩類の増加が、海苔の色落ちや収穫減の防止につながる可能性がある一方、引田のハマチの養殖にとっては富栄養化による赤潮の発生は死活問題です。

したがって、2月4日に国会内で開催された超党派の「瀬戸内海再生議員連盟」で、私から

①海域ごと、季節ごとのきめ細かな管理体制を構築すること

②栄養塩類について常時のモニタリング体制の構築が不可欠であること

③最新の科学的知見を踏まえた管理とすること

の3点を関係省庁に強く要望しました。

要は、バランスのとれた管理体制が重要です。

いずれにしても、「豊かで美しい瀬戸内海」の再生につながる法律に仕上げていかなくてはなりません。そのためにも、関係漁連や漁協の関係者の意見にも丁寧に耳を傾けながら立法作業を進めていきたいと思います。

また、海洋プラスチックごみを含む漂流・漂着ゴミや海底に堆積したゴミの処理、悪化した底質の除去、底生生物の避難場所としてのマウンドの造成や覆砂などの対応も必要です。瀬戸内海の恵みを受けながら育った一人として、恩返しのつもりで「豊かで美しい瀬戸内海」を取り戻すための責任を果たしていくつもりです。

シンガポールでも売られている香川のハマチ